Niki's Betty (Polyhedral/Aileron/Flapperon) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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Niki(Nikolay Nikolov氏)は、この美しく堅牢なグライダーの設計者、かつメーカです。このシリーズのグライダーは、ハイライトという名前でも知られています。彼は、彼の作ったモデルをまるで自分の子供のようにゆかしく思っているようです。彼は、写真のモデルを、Bettyと呼んでいます。これはNikiの娘さんの名前でもあります。彼は慎ましやかな人柄で、日本で販売するなら、日本のマーケットに相応しい名前を付けてくださいといっていますが、私は、このモデルをBettyと呼びたい。そしてNikiのグライダーをNiki'sファミリーと呼びたい。Nikiは、そんな気にさせる人ですし、また彼の可愛いこどもたちと呼ぶのは、日本であっても理解してもらえると思います。 |
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Wing: |
ハンドランチグライダーの主翼は、通常、軽さを優先するので壊れやすく車で運ぶときは、ちょっと扱いには神経質にならざるを得ないものです。Bettyの主翼は、その点、非常に頑丈にできていますので、そんな心配は不要です。Bettyの主翼の前縁及び後縁は、シャーレ構造で、軽くしかも最高強度を達成しています。事実、翼をアスファルト道路に落としてもカラカラーと小気味よい音を立てるだけでビクともしません。(うっかり落としたわかったことですので、普通はそんなことしたらいけません。)加えて、2ピースの主翼は75cmになりますから、車に積むときや、バックパックに縛って運ぶ時は非常に便利です。 Bettyは、従来の競技用HLGと比べ重いですから、競技会ではやや不利でしょう。しかしながら、一端サーマルを捉えれば、エンドレスリフトです。米国のNortheast Sailplane Products(NSP)社のホームページには、以下のような説明があります。 「・・・Bettyの本当の美しさは、主翼構造にある。フリーフライトで培われた経験が顕著な形で生かされており、設計者は、どのような構造であれば、軽量で強い翼を作れるかをよく知っている。シャーレ翼に負けないような精度でアンダーキャンバー翼を作ることができるのである。カーボンD-BOX構造は、シャーレ構造に加えて、強度をあげるため内部には、発泡フォームが封入されている。このD-発泡フォームは、コンピュータ制御NC(CNC)で作られたメス型に積層されたカーボンクロスとともに入れられ加圧される。これが、高い剛性を得るとともに『主翼の最も重要な部分である正確な前縁形状』を持つパーフェクトな主翼を作る秘訣である。D-BOXの後ろは、軽いバルサ剪断梁面となっており、中央は伝統的なバルサリブ組構造である。根元と中間のリブは、カーボンバルササンドイッチ構造となっている。後縁は、カーボンファイバーと発泡フォームサンドイッチによるシャーレ構造で、正確な形状を保持し、摩擦を最小限にするため、極めて鋭く薄い形状となっている。・・・」 個別バージョンの特徴は以下のとおりです。 (1) 多段上半角(Polyhedral)バージョン: これが標準です。主翼にはサーボが搭載されないので、3種類のバージョンの中でも頑丈さを犠牲にせず、最も軽くなるよう設計されています。(D-BOX部分、シャーレの部分は、3モデル中一番、幅が狭い。)Bettyをハンドランチで飛ばしたいなら、最も良いバージョンです。手投げで初期高度としては、30m位は、確実にとれます。 (2) エルロンバージョン:エルロンは、上の写真にあるように主翼の半分の長さで、主翼中央とエルロン端部で上半角がある多段上半角翼です。したがってフラッペロバージョンよりはサーマル旋回が容易です。多段上半角バージョンに比べサーボとケーブルの分重くなります。(Betty/エルロンの写真を参照) (3) フラッペロンバージョン:フラッペロンバージョンは、多段上半角バージョンより、重くなるのは当然ですが、上半角は中央で1段しかないので、操縦は、やや上級者向けになります。Betty/Flapperonは別名、ハイライト・アクロとも呼ばれ、アクロバット飛行を行う飛行機ですので、電動にするかスロープで飛ばすのに適しています。(Betty/ Flapperonの写真を参照) |
Fuselage: |
上の写真の胴体は、ケブラー胴をカーボンロービングで補強されて、軽く、強くできています。新型の胴体は、上の写真にあるようにケブラーとカーボンを綾織りしたクロスでできており、ケブラー胴よりも軽くなっています。しかしながらアンテナを外に出す必要があります。新型も旧型も十分剛性があり強い胴体です。V-tailは、フォーム板をマイクログラスクロスで固めたもので、写真に見られるようにカーボンロービング(黒い線になっている。)により補強されていまので、尾翼から着地することがあっても尾翼が挫屈することから保護しています。2枚に分かれているV-tailは、正確な角度でカットされているので、そのままエポキシーで接着することができます。(角度は110度強になります。)2枚のV-tailを接着した中心線の部分は、裏表ともマイクログラステープで補強してから胴体のV字状の台にエポキシーで接着してください。その後、V-tail側面と胴体も、写真のようにマイクログラステープで補強してください。胴体にV字状の台と胴体側面は、グラス1枚でつながっているだけですので、この部分を強化しておかないとV-tailが取れやすく、胴体尾部破損の原因にもなります。Bettyの胴体は1024mmあり、当初、Hubschrauber (Germany) website,で紹介されているように、800mmだったようですが、今はこの長さになっています。Bettyに長すぎるとは感じないですね。 |
Flight: |
全種類とも非常に頑丈です。F3B用ウインチで曳航することもできます。万歳しませんでした。主翼中央部のカーボンかんざしは、非常に強く、D-BOX構造のおかげで主翼は、こんなに丈夫です。しかしながら、Niki'sファミリーは、自然と戯れサーマルを探すのを楽しむようなフライヤー向けの機体です。Bettyは、フラッペロンを除き、ハンドランチかショックコードであげるのが基本です。 (1) Betty/Polyhedral: これは、非常に安定して飛び、最も飛ばしやすい機体です。ハンドランチで約30m程度の初期高度を確保することができます。個人的には、重い機体の方が初期高度を獲得しやすいと感じています。全備重量は、受信機とバッテリーによりますが、だいたい280-320gであがります。足が長く150m位は延ばせますので、滑空比は、かなり大きいようです。このモデルは、破損ということをあまり気にせず飛行を楽しめます。これは重要なことです。私は、Bettyをもう3年間も飛ばしています。(もちろんその間にモデル変更、性能向上をしています。) (2) Betty/Aileron: Betty/Aileronは、スロープで飛ばすか、初期高度を獲得するためにショックコードで飛ばすのがよいと思います。全備重量は、350g位にはなりますので、手投げで高々度を確保するには少し難しいと思われます。Betty/Aileronは、初めてエルロン機を練習するには、よい教材になります。主翼は多段上半角ですが、Polyhedralバージョンより緩やかです。エルロンは姿勢制御のみに使用することをお薦めします。言い換えると、エルロン-ラダーミキシングは、多くて30%程度にしておきます。一般に、尾翼が小さく、上半角が大きい機体は、ダッチロールや横方向の揺らぎを起こしやすいのですが、Bettyの尾翼は、それらをキャンセルできる程度によく調整されています。エルロンが下に出ている場合は、これがある種のブレーキになり、旋回と逆方向ヨーを起こしますが、これをキャンセルするためにエルロン-ディファレンシャルとエルロン-ラダーミキシングを利用しますが、あまり大きなラダーミキシングは、Bettyのような低速小型グライダーの場合、ラダーがブレーキになってしまうからです。このようなミキシングには8チャネル以上の受信機を利用するとミキシングが容易にできます。 (3) Betty Flapperon: Betty Flapperonは、スロープか電動モータで飛ばすのがよいと思います。このためには、フラッペロン用のサーボは、トルクが大きいものを使用し、そのような製品があれば、金属ギヤの方が望ましい。Bettyを高いところからダイブさせる場合、長いフラッペロンは、フラッタリングをおこし易いためです。Betty/Flapperonは、Highlight ACRO1.5mとも呼ばれています。姉妹機にはNelly(1.8m)があり、Highlight ACRO1.8mと呼ばれています。両方とも長いフラッペロンのバージョンですが、1つの提案としては、フラッペロンを半分に切って、エルロン、フラップとし6サーボモデルにしていまうことです。私の友人には、このようにした人も何人かいますが、悪くないという印象でした。Betty/Flapperonは、上半角が少ないので、アクロバットのような操縦技術を楽しむためには良い機体だと思われます。 |
Technical Notes: |
Kevlarは、デュポン社の2人の科学者が偶然発見した非常に強い素材です。Dupont Web siteに、小史やちょっと詳しい説明があります。ご参考まで。 |