ARIS F3F/F3B  

Airfoil

項目
ARIS/F3B
ARIS F3F
翼長
2970mm
翼型
HN483B
翼面積
58.4dm2
翼面荷重
38.5g/dm2
構造 Carbon-Balsa-Glass Reinforced
可搬性
2 pieces wing
Tail
plane
翼型
HN470S
翼面積
6.14dm2
etc.
全備重量
2250g-4000g
装備
6 servo
胴体長
1425mm
図面(アイコンをクリック)
ARIS Plan
ARISは、スロバキアのAerodesign社の設計、製作による高品質の機体です。スロバキアと言えば、Ellipseで有名な、Jaro Muller の工房があるところですが、ARISは、Jaro Muller氏のモデルの品質に負けず劣らずの高品質な機体です。Jaro MullerのモデルはドイツのEUROMODELLで販売しているため、高価ですが、ARISは直接入手できるため、比較的手頃な値段でJaro Mullerの機体と同等の品質の機体を入手することができます。この意味でお勧めの機体です。この品質に加え、ARISの胴体は、ハニカム(蜂の巣)構造で、そのノーズは、カーボンフレームからなる高強度なもので、他には類を見ない構造です。エルロン、フラップ等の動翼は、JARO MULLERのモデルと同様に、固定翼部分とは独立の鋳型で製作するため単体の強度は、スキンヒンジタイプのものより、高い強度があり、さらに軽量になります。結果として、エルロン、フラップのたわみは全く発生しません。エルロン、フラップは、ヒンジテープで接着しなくてはならないので、見かけは、良くないですが、このデメリットよりは、強度面、重量面のメリットが遙かに上回ります。テープヒンジではありますが、主翼、動翼は、ヒンジテープの厚さだけ低く鋳型成形されています。
F3BはF3Fと同じ設計ですが、軽量化、構造の強化により耐空性を向上させいるためF3Fより高価になっています。
設計/製造
Aerodesign(Slovakia)
価格/販売

価格: 販売休止 (過去実績 ARIS F3B 177000円(税込)、ARIS F3F 165000円(税込))


Gallery
安定した水平飛行 安定してシャープな旋回。透明なヒンジテープがあるとよいのですが、残念です。 ダイブ中です。
上半角は約3度なので、ほとんどフラットです。 バランスの良い機体です。 ダイブの後、再度上昇中
ジャックナイフ 後ろ姿もよいですね。 麗しいの一言
ARIS
Kevin Newton氏撮影のARIS(掲載承諾済) 胴体内のハニカム構造(1/2) 胴体内のハニカム構造(2/2)
V-tail駆動用のリンケージロッド V-tailのリンケージキャップ カーボンをふんだんに使用したかんざしとノーズプレート。これにより軽量化されている。かんざしは独特なH型で軽量かつ高剛性。
ノーズコーン方式 ノーズコーンは精度よくきちんと収まります。 バラストの投入口。バラストは木製のチップで固定します。金色のベルトはケブラーのようですがゴールドの高級感があります。 バラストの重量は1.75kgまで入ります。
メカの実装は芸術的です。カーボンプレートに乗せるためメンテも容易です。頭部バラストは、残念ながら標準では付属しておらず、自作です。アルミホイルを使って簡単に作れます。 バラスト入り口の木片はバラストが飛び出さないように押さえるもので、ねじで押さえています。取り外しが容易になるように指で回せるようねじの頭を曲げてあります。 配線の接続は、コネクターがぶつからないように前後にずらして実装する。
アンテナは、線を延長して尾翼したから垂らす。尾翼にカーボンロッドを挿入しアンテナ線と接続してもよい。 尾翼のかんざしは2本。太い方のかんざしは左の写真のように胴体の反対側まで貫通し固定されます。 F3B仕様にはフックが装備されている。
胴体は、ほぼ直線状でジャックナイフのような飛行には適している。 尾翼は、2ピース、着脱式です。 尾翼のコントロールロッドは折れ曲がりやひねりの少ない角形ロッドなので正確な制御が可能です。
色は、中間色が主体です。白色は、高品質の白色で、JaroMullerの工房独特の色と同じです。 このメーカの機体色は、抹茶色のような中間色が多く個人的には好みです。もちろん真紅もあります。 エアーブレーキをかけフラップが最大まで下がると動翼上部と主翼固定部分の間に隙間ができてしまうため、後付で丸い隙間カバーが貼り付けられているが、ARISの場合は、この部分が鋳型成型ではじめから作り込まれている。

コメント
Wing:
1)翼型
 主翼にHN483B、尾翼にHN470Sという翼型は、Breta ModelのNYX-FURIOと同様な翼型です。この翼型は、驚異的な翼型で、広い速度域で安定した浮力が得られるため、スピードモード、サーマルモードにおけるカンバーの上げ下げをしなくても、姿勢制御だけでも操縦は可能です。上空でエレベータをダウンさせれば、カンバーをネガティブ(上に1?2mm位あげる。)にしなくてもスピードモードに入ります。また、機速を落とせば、カンバーをポジティブ(下に1?2mm下げる。)にしなくても、サーマルモードになります。カンバーをコントロールしなくてもTASK A, B, Cに対応できるので、パイロットの負担が減るだけでなく、3つのモード間でシームレスな飛行が可能になります。言い方を変えると、理論的には、操縦ミスによる高度ロスを改善できます。実際には、サーマルモードにおいてカンバーの下げは、条件によっては効果的ですので使用されるようですが、上空からダイブする時は、フラップ、エルロンはニュートラル位置が最もスピードがでるようです。

初期のARIS、ユーロモデルの初期のElitaは、FischerのEstrellaのようにカーボンハニカム(蜂の巣)構造でした。Elitaは、カーボンの段ボールのような構造であるため、時間がたつにつれて、主翼表面に、段ボールの表面にでるような縦縞が浮き出てしまったようです。それで、構造についてはElitaもARISも従来の中空構造に戻りました。単に戻ったのではなく、従来の主翼より強化されました。
初期のARISの主翼断面 初期のElitaの主翼断面

これらに比べ、Estrellaの主翼は、AFK/GfKと呼ばれる技術により、理論上可能な強度に近い強度を達成している。主翼は、Double Wing(特許申請済)という新しいカーボン技術により、従来のサンドイッチ構造よりねじれに強い構造になっています。その結果、主翼表面も極めて堅くなっています。カーボン(プリプレグ)かんざしは15 X 20mmの角柱です。

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Estrellaの主翼断面
2)構造
 ARISは、基本的にはF3FとF3Bカテゴリの機体として設計されています。安定性に関連する諸元は、F3BとF3Fに要求される値の中間値に設定されています。空気力学的には、両者は同一です。F3Bに要求される翼面加重を達成するため、F3B機には、全面にわたり80g/cm2以下となるバルサ材を厳選して使用しています。F3Fは、少し重いものを使用しています。最近は、ロハセルをサンドイッチにする機体が多いですが、良い材質のバルサは、ロハーセルより軽量かつ高強度が得られるとのことです。設計の目標は、剛性を失うことなく重量を重心付近に集中させることです。最新版のARISは、この目標により近づいています。2008年モデルでは、メインスパー、フラップ、エルロンの強化と軽量化を図っています。

3)フラップ、エルロン
 フラップ、エルロンは、主翼とは別の鋳型で成形され、1つ1つの動翼(エルロン、フラップ)が中空のシャーレ構造となっており極めて強固かつ軽量に製造されています。したがって、根本的に動翼そのものには、ねじれが生じない構造になっています。エルロン、フラップが主翼とは独立に製造されるため、動翼と主翼は、ヒンジテープでつながれます。このテープは、ユーロモデルのグライダーでも使用されているヒンジテープで極めて耐久性が高く、極端な温度差がなければ数年は使用できるものです。日本のように炎天下では機体温度が40?50度になる地域では、塑性変形してしまう例も報告されていますので、シーズン毎にでも張り替える必要があるかもしれません。日本にはもっと耐久性の高いテープもあると思うのでこのあたりは改善可能ではないかと思います。(たとえば高温になる半導体接着用ポリイミドテープなど)
 従来のスキンヒンジの主翼では、フラップ胴体側を胴体の翼断面に合わせると、エルロンの翼端側でずれが生じることがありましたが、ARISでは、このようなずれが発生しにくい構造になっているといえます。

4)サーボ
フラップには、JR DS362のような高トルクの13mm程度のサーボが入ります。エルロンは、JR DS161のような横置きのサーボが推奨です。ラダーベータには、通常のサーボで十分ですが、ターンの切れをあげるには、動作スピードが速いラジコンカー用のサーボを使うこともオプションです。
 
Fuselage:
1)胴体構造
ARISの胴体は、先の写真のように独特のハニカムサンドウィッチ構造です。確かに上部ですが、壊れると修理は大変です。

2)尾翼
尾翼は初期のモデルに比べ、軽量な材料を選択することにより10g減量しました。 尾翼は2ピースで、かんざしは2本です。一般的には高速飛行時には、2本の場合、V−tailが振動するケースが あったそうで、Breta Modelでは3本に増やしているところもありますが、このような尾翼の振動による減速は、あまりお目にかかったことはありません。
Flight:

2ランク上の飛びです。気品のある飛びで美しいです。まさにARISが舞っているようです。

CG&Standard Trim :
未完