X-21 / UMS-Carbon
X21 at Ranapanb
今日は、良い陽差し、それに新鮮な空気、それにボヘミアのパンナパンにある有名なF3Fスロープのスピリットを感じる。ここは、とんでもない気候だ。2週間前なら、-10℃だったが、今は、暖かい日もさし、20℃だ。スキーには、良いとは言えないが、F3B機を飛ばすには、最高。 (2001年12月23日,Endlich氏) Jiri Tuma氏からクリスマス前にF3Bグライダーが届いた。
主翼 全長
3,200mm
全幅
240mm
翼型
MH32
翼面積
dm2
翼面加重
g/dm2
構造
Carbon/balsa/glass
分割形態
2 pieces
尾翼 尾翼タイプ V-Tail,2 point screw
翼型
その他
全備重量

2,180g(Ballast860:g)
主翼バラスト860g

Radio gear
6 Servos, 7 Channels over
胴体長
1430mm
Xantipaの設計・制作者として有名なTuma氏によるF3B競技会用の本格的なF3B機が完成しました。Tuma氏が新型機の構想を暖め始めてから、 3年以上かかり、ようやく完成しました。
プロトタイプ機は、日本での初飛行で主翼が万歳してしまいましたが、原因は、設計ではなく単純な製造ミス(スパーが完全に翼内表面に接着されていなかったこと。)であることが判明し、それ以外にも多くの点(下記、コメントを参照)を日本を始め世界中のフライヤーからのコメントを元に改造を重ね、ようやく、UMSカーボンを使用した申し分のない機体としてみなさんに提供できることになりました。
日本における新型機のロット配布は7月より開始の予定です。改良に当たっては、上里飛行クラブの岩田氏、濱田氏、橋本氏に多くのコメントをいただきました。2002年の全日本F3B選手権においては、濱田氏が、プロトタイプ機で18秒代をコンスタントに記録し、F3B競技用機として十分な性能をもっていることが示されました。

ヨーロッパ(ノルウエー他)では、主としてF3F機として愛用されています。トップの写真は、BohemiaのRanapanで撮影され、Roman Vojteck のホームページに掲載されたものです。チェコ共和国製のF3B機は、Pike、EraserなどのF3J機を強化したケースが多く、はじめからF3B機として設計・製造された機体は、あまり、ありませんでした。このX21は、はじめからF3B機として設計・製造された機体です。Tuma氏自身も優秀なパイロットであり、自分で納得がゆくまで飛ばし込むタイプの技術者で、その性能の良さはXantipaで証明済みです。X21開発プランを聞いたのは、20世紀の1999年でしたので、新型機はとりあえず21世紀のモデルXという程度の考えで命名したのだと思いますが、そのまま正式名称になってしまいました。外観は、Estrellaによく似た胴細の機体で、2ピースの主翼は、先端がかなり細くなっています。飛行性能については、このページの下の方にあるコメントをご覧ください。
設計・製造
Jiri Tuma/JITOM 3View Plan
価格/販売店
販売元
RC-Sailplane.com (ご注文はRC-Sailplane.comにメールをください) Mail
価格
主翼:Full Carbon Kevlar+carbon 胴体
110,000円(国内宅配料別)
主翼:前縁部分のみカーボン Kevlar+carbon 胴体 
98,000円(国内宅配料別)
主翼:グラス  glass 胴体 (F3J)
90,000円(国内宅配料別)
バラスト (800g)
4000円          
Panapan in Bohemia, 有名なスロープ。
Radio Gear. スリムな胴体は、メカ積みを拒否しているようだ。
フックは、エリプスのフックのように太い
バラストは、800g。TaskCでも十分スピードがでる。主翼にも入れれば1900gまで可能
無線機のクリスタル入替中 風を待つ 風も絶好。そろそろスタート... 準備よし
.Go Go!! いと高き所より・・ 手投げでスロープに投げ込む .いつも、思い通りに
よく効くクロー パイロットの俺を襲撃するのか?. 最終アプローチ . ..最後のフライト。パブにでも行こうか。
X21 Whole view Servo Cover Nose cone
美しい外観のX-21
Radio Gear (橋本氏の方法:重いサーボを前にすることでバラストを減らした。)
リンケージは主翼内に収容し、機体外部には突起物はない

Inner Nosecone先端部

V-tail V-tail Carbon Joinner
V-tailのボールジョイント

ンテナンスを容易にするためリンケージカバーをとっている。

主翼かんざし。サーボのリンケージプラグは、まだ装着していない。
ケーブルコネクター (防水タイプのコネクターもある。)
濱田氏のX-21、新型機へのチャレンジ 着陸するX-21と濱田氏 赤城山をバックにターン 今日も良い飛びだった。

濱田氏のコメント
胴体
 プロトタイプでは、多くの問題がありました。まず、アルミのロッドが直線のまま、通らなかったので、S字状にして通す必要がありました。これはサーボホーンの高さが低いとバラストチューブ後端部がロッドと接触するため、ロッドを曲げなくてはならなかったのです。改良型X-21では、この問題は、濱田氏の提案により、アルミチューブの代わりにビニールパイプとカーボンロッドを使用することで解決しました。
 プロトタイプは、軽さを重視したため、胴体強度が不十分で、カーボン・ロービング、カーボン・プロス・テープを螺旋状に内部に張るなど、ったり、種々の試みがなされましたが、最終的には、ケブラーとカーボンによるクロスを使用しました。
 胴体にメカ積みをする際、X-21の胴体のサーボマウントは、ベニヤの板を使用するオーソドックスなものなので、 グライダーをやっている方は知っていると思いますが、 普通のエポキシで接着した場合、ちょっとしたことで、 接着が外れます。シリコンかバスコーク で接着する必要があります。 ノーズバラストは、上の写真に見られるようにノーズ前部に穴があいていますが、 海ずり釣り用の30号をちょいと削ればOKです。
主翼・尾翼
平面型主翼は、テーパが強く、翼端がかなり細くなっています。この翼型の場合、Task Bの最終段階のように低速で旋回する場合は、翼端失速に気をつける必要があります。これは、X-21に限った話ではありません。MH32というプロファイルは、COBRA、Eraserにも使われていますが、X-21の高アスペクト翼では、まったく異なった飛びを見せてくれます。Task Cでは、すばらしいスピードを実現しています。主翼の強化のために、Tragiのように主翼スパー前後にバラストパイプを入れ強化したバージョンも制作しましたが、主翼重量が増加したこと、スパー強度は接着さえしっかりしていれば、バラストパイプ補強なしでも十分なことから最初の設計に戻すことにしました。主翼端部に一部柔らかい部分がありましたが、これも強化しました。(こんな場所は強くなくてもよいと思いますが、主翼端からランディングしたり、主翼端をもって主翼の跳ね返り強度を見る人のための強化です。)

主翼のそり: 主翼全面をChampion A-modelのようにカーボン・バルサ・カーボンサンドイッチ構造にしたものも制作してもらいましたが、重量が60g重くなってしまいました。翼の強度を確保するため、最終的にはUMSカーボンを使用することにしました。UMSカーボンは、従来のカーボンより強度があり、かつ軽量な素材です。

V-tailマウントV-tailの固定は、胴体下から、ねじを差し込みV-tailの下側を締め付ける方式ですが、プロトタイプでは、下図のように平らなベニヤ板が使用されていたため、ハードランディングの際に、V-tailマウントがつぶれて破損し、V-tailの上面が破損するという事故が相次ぎました。橋本氏及び濱田氏の提案により、V字状のカーボンプレートに変更されました。これによりマウントの強化と軽量化が図られました。
V-tail スパー:V-tailスパーは、プロトタイプでは途中までしかありませんでしたので、ターンの時少し甘さがでるようでした。改良機では、V-tail端までのばしました。さらにV-tailの動翼レバーも、濱田氏の提案により、図のように斜めにすることで強度を上げました。
フライト
X21のプロトタイプが、日本ではじめて飛行したのは2001年9月でした。初飛行は、上里グライダークラブ浜田氏が行いました。浜田氏は、パワー溢れ、勇猛果敢にチャレンジするタイプのパイロットであり、まさにX21のようなスピードの限界を挑む機体と相性がよい人です。同クラブのリーダーである岩田氏橋本氏もX21を同時期に飛ばしました。初飛行から2週間もしない時、岩田氏のX21が曳航中に主翼が折れるアクシデントに見舞われました。上述の改良は、製造方法に関するもので、流体力学的設計に変更はありませんでした。この設計でのフライト・インプレッションは、以下のとおりです。
ランチ:
発行直後の「立ち」は、濱田氏所有のCOBRAと同様によいのですが、十分なテンションをかけないと失速する傾向にあり、慎重な曳航が必要です。離脱直前のテンションは、十分です。 離脱後のエレベータの応答は、アルミの場合、少々負ける傾向がありましたが、カーボンロッドに変更後は、シャープな反応をするようになりました。 離脱後の延びは、Estrellaと同様にぐんぐん延び、充分な高度を獲得できました。

主翼強度: 時速10km位の風だったと思いますが、主翼が大きくそるようなことはありません。ただし、風速36km/hについては、まだわかりません。

滞空:
X-21は、翼面積が少ないので、得意ではないと思いましたが、予想に反し、Task Aでも、遜色ない飛びでした。 サーマルの反応も良いのではないかと思います。(私個人は、へたくそなので何とも言えませんが。)ただし、小さな旋回を安定してこなすには少し慣れが必要だと思われます。 MH32翼の場合、高揚力のため、高速で顕著な頭上げ傾向があるが、X21に関しては、このような頭上げ現象が穏やかである。翼端のねじり下げによるものかもしれませんが、Task Bには期待が高まります。沈下率(Gliding Ratio)は、一概には言えませんが、かなり足は長いと思います。

速度競技:
ノーバラストでも、獲得高度が高いことがまず、一番の利点です。高々度から一気に落とした時の速度の乗りはよく、Task Cの最終ラップでも、減速が少なく、とにかく速い機体です。エレベータコントロールロッドにアルミロッドを使った時は、ターンの時、エレベータが少し負けてターンが膨んでしまいましたが、カーボンロッドにした後は、シャープなターンが可能になりロスタイムが減りました。


Task Cのスピード設定は、 主翼ネガティブ:1mmから2mm、 エレベータダウン:プロポで5%程度です。総評:(濱ちゃんの独り言) 実は、胴体の最初は、ロッドが渋くて当たるため、嫌になっていました。10万円 は無駄遣いと意気消沈、何にも考えずに、ただメカを貼り付けて作ってしまいました。何とか方法はないかと、齋藤さんに相談しました。齋藤さんのアドバイスを 信じ、また、齋藤さんに励まされて、ロッドだけは、何とかスムースに動くような工 夫をして、昨日(9/2)の飛行となりました。 ノーズバラストも、釣り用の30号を突っ込んで、コンナモンでいいや。エルロン・ フラップ・エレベータ・ラダーの舵角も目視のみ。
こんな設定で、なんと良く飛ぶなんて、信じられない!!! 大変良いと思います。 飛行姿勢もVeryGood!+見た目もキャッコイイー。

プロポ標準設定と組み立て方

メーカのトリム設定推奨値です。
加納さんのホームページに、すばらしいX−21製作方法の解説があります。是非参考にしてしてみてください。

フライヤー

2001年9月に初飛行をしました。フライヤーギャラリーに、日本での初号機の写真を掲載しています。


Date:27 May. 2002